僕は普段WEBデザインやディレクションをしています。色々なお客さんと話したりします。個人の方〜大手の方や様々な形で話をすることがあります。今回僕はあるクライアントのデザインをしていてためになったと思いました。

経緯

そのクライアントは最初は僕の前任者が担当でした。前任者が放置をして炎上したため急遽僕に引き継ぎをすることになりました。引き継ぎとしては殆どなにもなく、クライアントに電話したらどうやらデザインを先方に提案する段階でずっと止まっていたみたいでした。

ヒヤリング

クライアントに電話をしてヒヤリングをしてみると現状のサイトよりよくしたい。もっと簡潔に見せたい。シンプルに見せたいなどいただきました。

現状の商品の並びかた。同じサイズの画像が複数枚縦にあるだけでした。クリックで実際のサイズになります。

画像は実際に750px程度でアップされていました。アップしている人も専門家ではなく社内で少しできる人が行う感じでした

提出したラフ

実際に僕が提出したラフは以下になります。

※クリックで拡大します。コンテンツ部分のみの画像になります。

僕が作成したラフはコンテンツとメニューが2カラムでわかれているものになります。コンテンツの部分は600pxで下のサムネイルにマウスをロールオーバーもしくはクリックするとメインのアイキャッチが切り替わるというのを提案しました。

写真の枚数は実際には商品によって変わるので多いときは二段になるように説明をしました。

やり直し

WEBの世界で一発で自分の案が通るというのは希です。戻しは普通にあると思いました。当然このページに戻しがきて言われました。電話で『今のサイズから画像サイズが小さくなるのは駄目なんだ。』『サムネイル形式にすると見づらいし操作しづらいから駄目だなー。いまのがいいんだ。』

僕は『今のページはファーストビューで画像は全て見られないし縦長になってしまいます。スクロールをするよりサムネイルにすれば画面のスクロールはしなくてすむし切り替わるので問題無いかと思いましたが、今のほうが良いのでしょうか？』と伝えました。

クライアントは『そうなんだよね。今のが結構評判いいんだ。画像も見やすいしシンプルだし余計な動作がないからねー』

疑問点

僕はクライアントに聞いてみました。『余計な動作というのはどういう事でしょうか？？』クライアントは『サムネイルにマウスを重ねたりクリックするとかかなー。お客さんが突然画面変わっておどろいたりすることもあるしね』

僕はある疑問点がわいて聞いてみました。『もしかして、このサイトのユーザーの大半は高齢者の方でしょうか？』クライアントは『そうなんだよね。結構年齢も上の人が多いんだ』

疑問点は全て解決しました。ヒヤリングの段階でもっと聞いておけばよかったのですが聞いていなかったのもよくなかったです。

学んだ事

僕は電話で言われて自分はまだまだ未熟だなと思ったのと、同時に良い事を学んだと思いました。今回のクライアントの商品を見るのは若者でも中高年でもなくてもっと上の年齢層の方でした。年齢でいえば70〜80やそれ以上です。考えた見たら高齢の方にサムネイルで画像を見せるというのは迷惑以外なんでもないとおもいました。

年齢が上なのでPCの操作になれているひとよりも慣れていない人がおおいです。サムネイルにマウスを重ねるというのは若い人や中年のかたからしたら楽でも年齢が上のかたからしたら突然画面がかわって驚く事もあります。

年齢が上の方からしたら大きい画像が並んでいてそのまま見れる方が親切になる場合もあります。かならずしも今のデザインが悪いということはないのです。

僕が改めて思った事

現在はPCやブラウザも色々あり、技術もデザインも品質も全て上がっています。レスポンシブデザインだとかHTML5とかCSS3とか色々な事ができます。時には古いデザイン=良くない。ユーザービリティが悪いなどもあります。

けれど古いデザイン全てが悪いわけではないです。実際に古いデザインのほうが見やすい、使いやすい、シンプルという点で好んでいる人もいます。制作者としてユーザーの事を考えてデザインしたりそれに見合った技術を使うべきだとおもいました。

根拠がなかったり、自分が使ってみたいなどの理由や流行りでHTML5やCSS3などつかったり、レスポンシブデザインを取り入れるというのは制作者のエゴでありそういうことをだけ考えているようでは駄目だなと思いました。

もし貴方がユーザーの事が考えられないようになってきているなら一度初心に返っていただきたいとおもいます。それでもユーザーの事を考えられないようなデザイナーやディレクターは引退したほうがいいかもしれません。